クロスで変わる雰囲気
「クロスを選ぶ」と言っても選んだことのない人にはピンとこない話しかも知れません。
多くの人はクロス選びで大変苦労しています。そして「失敗したな」と思う人が多いのも「クロス選び」なのです。
クロスの種類という話になるとかなりの種類があります。表面が強化された傷のつき難いクロスや耐水性が高く雑巾でふき取れるクロス、クレヨンなどでいたずら書きをしても消せるクロスなど「機能面」でもいろいろあります。
木目調のクロスや石調のクロス、珪藻土調やタイル調など、素材感の違うものもあります。
ありとあらゆる柄、色があるのがクロスです。「クロスを選ぶ」という経験のない人は、目移りして何をどういう基準で選んだら良いのか解らなくなってしまうのがクロス選びなのです。
洋服を選ぶことは、何度も経験があるので大体自分の「お好みの雰囲気」というものが出来上がっていると思います。車を選ぶ時もそうですよね。いつも見ているので、「あの車カッコいい」とか「あんな色の車がいいな」と思うことが出来ます。
でも、「壁のクロス、天井のクロスを選んで下さい。」と言われると「え!」となってしまいます。
壁や天井の色や素材、柄などは普段あまり気にしないので「何が良いのか解らない?」となってしまう人が殆どだと思います。
友達の家の壁の色覚えていますか? 天井の色覚えていますか? 玄関は?リビングは? どうですか。
「白っぽかったな」とか「ちょっとベージュぽかったな」程度には思い出せるでしょうけど、柄や微妙な色合いなどは覚えていないと思います。
建物の床、壁、天井の素材や色は興味を持っている人か、かなり特殊な色や素材でないと覚えていないのが一般的です。
逆に言うとみんな「その程度しか気にしていない」というのが部屋の仕上材料なんです。
でも、「部屋の雰囲気」という意味では多大な影響を与えます。そこで、みなさん、悩み、苦しんでいるのです。そして、「経験不足」によって、良い雰囲気になるもの、自分の好みに合った部屋にすることが出来なくなっているのです。
「自分でも選べる」と思う人は良いですが、多くの場合失敗しているケースが多いです。
微妙な色の違いで、部屋の雰囲気はガラッと変わってしまいます。素材感でも変わってしまいます。
洋服などは目にする面積も小さいですし、気に入らなければ着なければ済みます。
でも、床、壁、天井の色、素材選びの失敗は、家を壊すか、リフォームするまで続きます。ですので、慎重さが大切なのですが、慎重なだけでは良くならないので難しいですね。プロの力を借りることも重要です。
最近は、多くの人が失敗を恐れるので、白っぽいクロスが増えました。私も提案することが多くなっていますが、出来れば家具や雑貨、建主の雰囲気や好みに合わせて、色や素材を選びトータルコーディネイトしたいですね。
トータルに考えてコーディネイトされた部屋は雰囲気が良くなります。建主に合せた雰囲気の部屋になります。建主らしい家となります。
いろいろ大変なクロス選びですが、何を基準に選ぶかはあなた次第なので、良くお考え下さい。家をだいなしにするか。良い家にするかはあなたの考え方一つで変わります。
●これから家を新築される方へ
クロス選びを手伝ってくれる業者と手伝ってくれない業者があります。
工務店の多くはクロスのサンプル帳を持ってきて「明日までに決めて下さい」と言って帰って行きます。言われた方は大変です。「どうすればいいんだ!」と叫びたくなります。何を基準にどう選べば良いか解らないからです。そして失敗します。工務店とすれば、責任逃れです。「あなたが選んだクロスを貼りました。何か文句がありますか」となります。無責任ですね。
業者を選択する時には、どこまでを提案、アドバイスしてもらえるか確認をすることが重要です。
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは、素材感が偽物のクロスは使わないということです。あまりにもリアルにプリントされた柄は止めた方が良いです。写真では綺麗に写っていますが、実物は安っぽさがあります。
クロスらしいクロスや本物と間違ってしまうレベルのクロスを選びましょう。 天井などの目と遠い場所で使う場合は、多少偽物っぽくても雰囲気を感じるだけなので大丈夫ですが、目に近い壁は本物っぽいクロスが良いと思います。
適材適所にトータル的にコーディネイトして使っていくことが大切ですね。
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